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OKLAHOMA!
(Musical)

 このミュージカルは美術監督として参加した。一年前の公演では美術班のメンバーとして参加していたので昇格したわけである。個人的に思い入れの強い舞台となった。
 舞台美術の勉強のためにオーストラリアの専門大学にまで留学してきたので、今ならよくわかるのだが、当時の舞台制作の進め方というのは何から何まで間違っていた。演出家も自分のことで手一杯だったし、音響や照明との連携もほとんどなかった。役者のあいだでも統一されていなかっただろう。一部のキャストの演じ方は明らかに浮いていた。お互いの連携不足で、この劇に関する解釈はちぐはぐだったのだ。(おまけに美術班の一部は病的なまでに勝手気ままで、仕事放棄など日常茶飯事だった。もう二度と藝大生とは一緒に仕事をしないと誓った)。
 僕らの解釈は間違っていたと思う。演出家にしろ、現代にそぐわない脚本上の問題点を十分認識し、その原因も(おそらく)理解していながら、ディレクションする方向性を誤った。
 物語にはジャッドという重要人物が登場する。主人公カーリーとは対照的に醜男で、下っ端の雇われとして主人公の家で働いているのだが、ヒロインに恋をしている。この三角関係が物語の主軸になるのだが、ヒロインはこのジャッドを気味悪く思っており、ひとつの辺が閉じていない歪な三角関係なのだ。そして、この哀れな醜男は物語の最後に主人公にあっけなく殺害されてしまう。
 演出家はあの時、ジャッドを変質者や精神病患者のように描くことで、カーリーがジャッドを殺害してしまったことの正当性を補った。
 さて、カーリーが殺人を犯した後、周囲の人々によってドタバタの裁判もどきが開かれ、あっという間に結審し、主人公は無罪放免、そしてめでたくヒロインと結ばれハネムーンへと旅立つ。ジャッドの異常性は、この強引なカーリーの無罪判決という展開を、観客に受け入れやすくさせるためでもあった。
 この戯曲には『Green Grow the Lilacs』というLynn Riggsによって一九三〇年に書かれた原作がある。物語はオクラホマ準州成立の直前、まだそこがインディアン準州だった頃の一九〇〇年が舞台である。
 ジャッドは、『Green Grow the Lilacs』では「ジーター」という名前で登場するのだが、原作脚本で「earth-colored face(土色の顔)」とト書きされている。(ちなみに『オクラホマ!』の中ではカーリーはジャッドを「bullet colored (鉛色)の肌」と呼ぶ)。つまり、彼は白人では無くネイティブ・アメリカンなのだ。そして、実際に劇作家Riggsはオクラホマ州のクレアモアの出身で、母親がチェロキー族の血を引いているのだ。
 インディアン準州がオクラホマ州に変わるということは、劇作家にとってどういう意味を持っていたのか?
『オクラホマ!』はブロードウェイでも頻繁に上演される人気演目の一つではあるが、二〇一九年に大規模にリバイバルされた。だが全体的に陰鬱で、カーリーの歌も調子っ外れ、そしてジャッドへの残酷ないじめが描かれるなど、従来の牧歌的な世界観とはまったく異なっていた。彼らは「Forget your traditional idea of Oklahoma!」と訴えたのだ。そしてこの作品はその年のトニー賞を受賞した。
 三年かかって、ようやく腑に落ちた。僕らはずいぶんと間違っていた。僕らは、何から何まで間違っていたのだ。

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その他の作品

Symphonique for Pendulum

 振り子の動きに連動した、スティーヴ・ライヒ的なミニマルミュージックが付けられた。センサーで振り子の動きを検知して、それに合わせて音が鳴る。アイデアは三人で練ったが、作品本体の制作は僕が行い、一人は音楽を、残りの一人は電子工作(プログラミング)を担当した。キネティックアートに音楽が加わることで、作品はより厚みを増し、この作品の評判は良かった。それ以降、何度かバージョンアップを重ねながら、いくつかの展示会で展示を行った。

Puddle of the Moon

These plates were masked in the shape of the Moon, then put the water repellent spray on. And when it turns on fogging on these plates, it has water in the shape where was not applied the water repellent spray, and it highlighted the shape of the Moon. Then the pale blue lights fixed around these plates light up water drops from the side, and it glitters like a diamond with a brilliant cut.
These images came from the Moonlight reflected on the puddle, or the traffic lights and car headlamps on the wet pavements. I came upon this idea when I took a walk to the nearest convenience store at midnight. It was the night after the summer rain shower.

Dessin

When I was at a prep school for an entrance exam of the university, I drew a dessin every day after day. But telling the truth, it wasn't a pain to me at all. In addition to the fact that I aced most of the days in that class (which was a relatively small school, I should've probably mentioned it first), I truly loved drawing a dessin from the bottom of my heart. Once I draw a dessin, always I can find room for improvement. Then I can draw a better one. There's no such thing as a perfect dessin.